イーサリアムとは?
イーサリアムとはカナダ在住のロシア人であるヴィダリク氏によって開発された仮想通貨で、契約を自動で履行するスマートコントラクトという機能とICOのプラットフォームとして有名です。
⇒【仮想通貨】イーサリアム(Ethereum)とは何なのか?その将来性と購入方法
イーサリアムの現状
イーサリアムはビットコインにないスマートコントラクトという機能とICOプラットフォームとして、仮想通貨市場の中でビットコインに次ぐ第2位の時価総額です。
そして、イーサリアムはトヨタやIBMと提携したり開発が盛んですが、まだスマートコントラクト機能と決済速度に関しては実用レベルのは達していません。
→【仮想通貨】イーサリアムのICO騒動から見る仮想通貨の現状と将来性
イーサリアムの4つのアップデート
イーサリアムは今、大型アップデート「メトロポリス」を間近に控えています。9/18にテストネット(コードのテスト)、10/9にアップデートが実施される予定です。
メトロポリス(Metropolis)とは?

イーサリアムは4段階のアップデートを予定しており、今回の「メトロポリス」は3番目にあたります。
1.フロンティア
2.ホームステッド
3.メトロポリス ⇦今回
4.セレ二ティ
このメトロポリスのアップデートは①ビザンチウム②コンスタンティノープルという2回のハードフォークを経て完了する予定です。
・EthereumのMetropolisアップグレードはByzantiumとConstantipoleに分かれる
— ⟠うどん⟠ (@udon_crypto) 2017年9月10日
・Byzantiumでは、ディフィカリティボムを遅らせること、zk-SNARKを導入など、9個のEIPを実現。
・Constantipoleはそこまで固まってない模様 https://t.co/joQWDd5Kfm
17年8月のビットコインとビットコインキャッシュの分裂騒動により、ハードフォーク = 「分裂」というネガティブなイメージが先行しがちですが、基本的にハードフォークは仮想通貨の性能向上のためのアップデートとして行われることが多いです。
普通はノード(取引の検証合意作業をやっている人)のほぼ全員が、そのハードフォーク合意していればコインは分裂することはありません。
しかし、ビットコインのようにコミュニティーが2分割されるような内部対立を起こしていると、ビットコインとビットコインキャッシュに分裂したようなことが起こるわけです。
メトロポリスでの変更点

今回のメトロポリスで、イーサリアムが変わるところは大きく分けて4点です。
①.匿名性の強化
新しく「zk-SNARKs」もしくは「ゼロ知識証明」という技術を導入することで、これまで以上に匿名性の高い取引が可能になります。
②.スマートコントラクトの簡略化
難しいプログラミングが不要になることで、スマートコントラクトの実装がより簡単になります。
③.セキュリティの強化
ハッキング対策としてネットワークのセキュリティが高くなります。(自分自身で秘密鍵と紐づいたアドレスを決めることができるようになります)
④.POS移行への準備
POW⇨POS(コストダウン)への移行を目指すために設計された「デフィカルティボム」を含むアップグレードによって、マイニングの難易度が上昇します
⇒【仮想通貨】Pow Pos Poi Pocはそれぞれどう違うのか?
やはり注目すべきはPoWからPoSへの移行ですね。これによって現状無制限のイーサリアムの発行枚数が、PoSに移行することで固定されるので今後の価格についても上昇する期待が持てます。
ハードフォークのスケジュール
まずハードフォーク1段目の「ビザンチウム」が9/18にテストネットが行われました。
そして、このテストネットが順調に進めば10/9にハードフォークでアップデートが実施されるようです。

2段階目のハードフォークである「コンスタンティノープル」については来年2月をめどにしているようです。
イーサリアムのETFはどうなる!?
イーサリアムは米SECに対して、ETF(上場投資信託)の申請を行いましたが9月19日に自ら申請を取り下げました。
イーサリアムコミュニティーとしてはまだイーサリアムはETFにできるほど安定した仮想通貨ではないということのようです。
ライデン(RaidenNetwork)の予定は?
イーサリアムにはメトロポリスの他にも「送信が1秒未満完了」したり、「手数料が1/7になる」といった「ライデンネットワーク」というアップデートがあります。
これに関しては2017年7月には実装されるとのことでしたが、90%あった進捗率が50%に下がっていたりと色々難航しているようなので、当分無理そうな感じです。
イーサリアムの今後
イーサリアムはスマートコントラクトやICOプラットフォームに対する期待に対して決済速度などの技術が追い付いていなかった失望から、7月に4万5000円を付けてから現在は3万近くになっています。
今後の「メトロポリス」や「セレニティ」のハードフォークによってその技術的な問題点は解消されると思うのです気長に待ちましょう。
とは言っても、スマートコントラクトやICOプラットフォームなどのイーサリアムの売りの点には、NEMやNEO・LISK・wavesなど仮想通貨プロジェクトも着々と進出してきており、技術面もイーサリアムの独走状態ではなくなってきている感じもします。
仮想通貨は一か月で大きく情勢が変わるので今後もこれらの動向に注目です。