今回は高校で数学ⅡBで出てきた対数(log)の意味と現実においてどういう使われ方がされているのかとそのメリットを軽く説明していきたいと思います。対数は常用対数と自然対数に分類されますが、ここではⅡBで出てきて比較的一般的な方であるといえるであろう常用対数についてまず触れていきます。
プログラミングコードを見ているとよくlog()という処理でデータの数値を置き換えていることがあります。このlog()という処理は何をしているのかというと、数値を対数に置換しています。
まず対数を使う大きなメリットとしては、小さな数で大きな数を扱えるということです。指数をもとの数の代理人にたてて扱う対数は、きわめて巨大な数でも、扱いやすいはるかに小さな数でシミュレートすることができ、また小数の指数で細かく小刻みに制御することで、それを精密に行うことができます。
これは、逆に1の反対側(マイナスの指数)で桁を深く掘り込んだきわめて小さな小数についても同じです。データの変化率や天文学系のデータは数値が大きくなることが多々あり、それをいちいち実際の数字で表すのは、計算なりが色々面倒なので、対数を使うことで数字を小さくできるというのはとても便利です。
対数というのは意外と身近に使われているもので、その最たるものが、地震の大きさを表すマグニチュード です。このマグニチュードは地震のエネルギーを、対数を使って表していて、マグニチュードが1上がるとその大きさは約30倍になります。
次に具体的な式について見ていくと、
log⑽ 100 = 2
この式は、 10を100にするには10を2乗すればいいということをあらわしています。
対数は、指数と対になっていると考えると理解が簡単になります。
指数は100,000,000,000 なんていう数値を10の11乗、たったこれだけで、表現することはできます。
この11というのは、そのまま”桁”を表していますよね。 対数は、その桁をそのまま数値として表したものを指します。
また、10 と 1,000,000 という数字は、底数を10とする対数なら 1 と 6 で表現できます。この様に10を底とした対数は常用対数と呼ばれ、Rなどのプログラミングソフトではlog10()とすれば計算してくれます。
このようにプログラミングではlog2やlog10のような常用対数が一般的ですが、物理学の微分方程式や金融工学の複利計算においては、底をeとする自然対数というものを使うのが一般的となっています。
複利計算は投資において欠かせない要素なので、その際に使用する自然対数も知っておいたほうがいい知識ではあると思います。というわけで、次は自然対数について説明していきます。